タナゴを 保護 ( ほご ) していくためには、タナゴだけでなく、 二枚貝 ( にまいがい ) やヨシノボリなどの 他 ( ほか ) の 魚 ( さかな ) 、それぞれのエサになる 生き物 ( いきもの ) など、これらが 生 ( い ) きていける 環境 ( かんきょう ) をも 守 ( まも ) っていくことが 必要 ( ひつよう ) です。

タナゴの 産卵 ( さんらん ) 　

日本在来 ( にほんざいらい ) のタナゴのなかまは、ため 池 ( いけ ) や 川 ( かわ ) にすむ 二枚貝 ( にまいがい ) に 産卵 ( さんらん ) します。

タナゴは、 産卵 ( さんらん ) の 季節 ( きせつ ) になるとオスにきれいな 婚姻色 ( こんいんしょく ) があらわれ、メスには 産卵管 ( さんらんかん ) という 長 ( なが ) い 管 ( くだ ) がおしりからのびてきます。

タナゴのオスは、 産卵 ( さんらん ) によさそうな 貝 ( かい ) をみつけると、 他 ( ほか ) のタナゴをおいはらって、そのまわりになわばりをはります。
オスは 卵 ( たまご ) をもったメスを 自分 ( じぶん ) の 貝 ( かい ) のところにつれてきます。

産卵 ( さんらん ) をするとき、タナゴのメスは 産卵管 ( さんらんかん ) を 貝 ( かい ) の" 入水管 ( にゅうすいかん ) "にさしこみ、 貝 ( かい ) のえらに 卵 ( たまご ) を 産 ( う ) みつけます。
メスが 卵 ( たまご ) を 産 ( う ) むと、オスは 貝 ( かい ) のまわりで 精子 ( せいし ) をだし、 卵 ( たまご ) は 貝 ( かい ) の 中 ( なか ) で 受精 ( じゅせい ) します。

なぜ、タナゴは 貝 ( かい ) の 中 ( なか ) に 卵 ( たまご ) を 産 ( う ) むのでしょうか？
それは、 卵 ( たまご ) は 逃 ( に ) げることができないので、 他 ( ほか ) の 魚 ( さかな ) にねらわれてしまうからです。
しかし、タナゴの 卵 ( たまご ) は 貝 ( かい ) に 守 ( まも ) られているので、 他 ( ほか ) の 魚 ( さかな ) がきても 食 ( た ) べられません。

卵 ( たまご ) は 貝 ( かい ) の中でふ 化 ( か ) します。
タナゴの 赤 ( あか ) ちゃんは、 貝 ( かい ) の中でおよげるようになってからでてきます。

すべてのタナゴ 類 ( るい ) が 繁殖 ( はんしょく ) するためには、 二枚貝 ( にまいがい ) がぜったいに 必要 ( ひつよう ) なのです。

二枚貝 ( にまいがい ) の 繁殖 ( はんしょく ) 　

二枚貝 ( にまいがい ) も、 繁殖 ( はんしょく ) するときに 他 ( ほか ) の 生き物 ( いきもの ) を利用します。

メスの 二枚貝 ( にまいがい ) は、 自分 ( じぶん ) のえらに 卵 ( たまご ) を 産 ( う ) みます。
卵 ( たまご ) は、グロキディウムとよばれる 赤 ( あか ) ちゃんになり、おかあさん 貝 ( がい ) からでてきます。

二枚貝 ( にまいがい ) の 赤 ( あか ) ちゃんには、よく 見 ( み ) るとキバのようなものがついています。
そのキバで、まわりにいる 他 ( ほか ) の 魚 ( さかな ) にくっつきます。
おもに、ヨシノボリなどのハゼ 科 ( か ) の 魚 ( さかな ) のえらにくっつきます。
くっついた 貝 ( かい ) の 赤 ( あか ) ちゃんは、 魚 ( さかな ) の 体液 ( たいえき ) をすって 成長 ( せいちょう ) していきます。

大 ( おお ) きくなると 魚 ( さかな ) から 離 ( はな ) れて、 川 ( かわ ) などの 底 ( そこ ) のほうで 生 ( い ) きていくのです。

二枚貝 ( にまいがい ) が 繁殖 ( はんしょく ) するためには、ヨシノボリなどの 他 ( ほか ) の 魚 ( さかな ) がぜったいに 必要 ( ひつよう ) なのです。

生態系 ( せいたいけい ) ？？　

このように、 生き物 ( いきもの ) はおたがいに 利用 ( りよう ) しあって 生 ( い ) きています。この 関係 ( かんけい ) を「 生態系 ( せいたいけい ) 」といいます。

ぶん　：　みね　かずや