外来種 ( がいらいしゅ ) とは、 他 ( ほか ) の 地域 ( ちいき ) から 持 ( も ) ちこまれた 生物 ( せいぶつ ) のことをいいます。
外来生物 ( がいらいせいぶつ ) は、もともとそこにいた 在来 ( ざいらい ) の 生物 ( せいぶつ ) にさまざまな 悪影響 ( あくえいきょう ) をおよぼします。
捕食 ( ほしょく ) ・ 競合 ( きょうごう ) ・ 交雑 ( こうざつ ) という 問題 ( もんだい ) は、 生物多様性 ( せいぶつたようせい ) への 影響 ( えいきょう ) をおよぼすことになります。

捕食 ( ほしょく ) 　

外来生物 ( がいらいせいぶつ ) に 対 ( たい ) して 防御機能 ( ぼうぎょきのう ) を 持 ( も ) っていない 在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) が 食 ( た ) べられること

在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) は、 急 ( きゅう ) に 入 ( はい ) ってきた 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) に 対 ( たい ) して、 防御機能 ( ぼうぎょきのう ) を 持 ( も ) っていない 場合 ( ばあい ) が 多 ( おお ) いのです。
敵 ( てき ) が 近 ( ちか ) づくと、どこにかくれたらいいのか、どのようにして 逃 ( に ) げればいいのか、 生物 ( せいぶつ ) は 遷移的 ( せんいてき ) にそれらを 知 ( し ) っているはずなのですが、 急 ( きゅう ) に 入 ( はい ) ってきた 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) に 対 ( たい ) してはそれがわかりません。

タナゴのいる 池 ( いけ ) などにブラックバスが 放流 ( ほうりゅう ) されると、ブラックバスはタナゴを 食 ( た ) べてしまいます。
アメリカザリガニは 二枚貝 ( にまいがい ) を 食 ( た ) べてしまいます。

さいきん、 日本 ( にほん ) の 池 ( いけ ) にはこういった 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) がよく 見 ( み ) られます。
もともとそこにいた 在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) は、 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) によって 捕食 ( ほしょく ) され、 数 ( かず ) が 減 ( へ ) ってきているのです。

競合 ( きょうごう ) 　

在来種 ( ざいらいしゅ ) の 生息地 ( せいそくち ) やエサなどの 資源 ( しげん ) が、 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) によってうばわれること

同 ( おな ) じ 生息地 ( せいそくち ) により 強 ( つよ ) い 力 ( ちから ) を 持 ( も ) つ 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) が 入 ( はい ) ってくると、 在来 ( ざいらい ) の 弱 ( よわ ) い 生物 ( せいぶつ ) は 生 ( い ) きていくことができなくなってしまいます。
生 ( い ) き 残 ( のこ ) った 強 ( つよ ) い 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) はどんどん 子孫 ( しそん ) をつくり、その 生息域 ( せいそくいき ) に 広 ( ひろ ) がっていきます。

交雑 ( こうざつ ) 　

違 ( ちが ) う 種 ( しゅ ) の 間 ( あいだ ) で 子 ( こ ) どもをつくってしまい、 遺伝的 ( でんとうてき ) なかく 乱 ( らん ) がおこること

本来 ( ほんらい ) 、 同 ( おな ) じ 種類 ( しゅるい ) の 生物 ( せいぶつ ) は、 自分 ( じぶん ) と 同 ( おな ) じ 種類 ( しゅるい ) の 生物 ( せいぶつ ) と 子孫 ( しそん ) を 残 ( のこ ) します。
しかしまれに、 自分 ( じぶん ) と 近 ( ちか ) い 遺伝子 ( いでんし ) を 持 ( も ) つ 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) との 間 ( あいだ ) で 子 ( こ ) どもをつくってしまうことがあり、あらたな 雑種 ( ざっしゅ ) が 生 ( う ) まれてしまいます。
これでは、 遺伝的 ( いでんてき ) なかく 乱 ( らん ) がおこってしまいます。
たとえば、「ニッポンバラタナゴ」とよく 似 ( に ) た 外来魚 ( がいらいぎょ ) 「タイリクバラタナゴ」がいます。
この２ 種 ( しゅ ) での 交雑 ( こうざつ ) が 広 ( ひろ ) がり、 今 ( いま ) では 純粋 ( じゅんすい ) なニッポンバラタナゴの 生息地 ( せいそくち ) は 少 ( すく ) なくなり、ニッポンバラタナゴは 絶滅 ( ぜつめつ ) のおそれにあります。

導入 ( どうにゅう ) ・ 放流 ( ほうりゅう ) について　

外来生物 ( がいらいせいぶつ ) は 人 ( ひと ) の 手 ( て ) によって 持 ( も ) ちこまれた 生物 ( せいぶつ ) のことです。

ルアーフィッシングのために、ため 池 ( いけ ) などにわざとブラックバスを 放流 ( ほうりゅう ) してしまう 人 ( ひと ) がいます。
ブラックバスは 肉食魚 ( にくしょくぎょ ) であり、そのため 池 ( いけ ) にいる 魚 ( さかな ) を 食 ( た ) べてしまいます。
捕食 ( ほしょく ) によって 減 ( へ ) っていく 在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) は、いずれ 絶滅 ( ぜつめつ ) してしまいます。
在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) の 保護 ( ほご ) のために、ため 池 ( いけ ) の 管理 ( かんり ) として、 釣 ( つ ) りを 禁止 ( きんし ) している 場所 ( ばしょ ) でも、ブラックバスの 密放流 ( みつほうりゅう ) は 確認 ( かくにん ) されています。

駆除 ( くじょ ) 　

在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) の 絶滅 ( ぜつめつ ) につながるおそれがあるなど、 生態系 ( せいたいけい ) にあたえる 影響 ( えいきょう ) が 大 ( おお ) きい 種 ( しゅ ) を、 侵略的外来種 ( しんりゃくてきがいらいしゅ ) といいます。
わたしたちは 生態学的調査 ( せいぶつがくてきちょうさ ) に 基 ( もと ) づき、 在来生物 ( ざいらいせいぶつ ) の 保護 ( ほご ) のため、その 池 ( いけ ) から 侵略的外来種 ( しんりゃくてきがいらいしゅ ) である 外来生物 ( がいらいせいぶつ ) を 駆除 ( くじょ ) しています。

注意 ( ちゅうい ) 　

外来生物 ( がいらいせいぶつ ) を 飼 ( か ) うときは、にがさないでちゃんとさいごまでいっしょに 暮 ( く ) らしてください。
外国 ( がいこく ) と 日本 ( にほん ) の 間 ( あいだ ) だけでなく、 同 ( おな ) じ 日本 ( にほん ) の 違 ( ちが ) う 地域 ( ちいき ) の 生き物 ( いきもの ) の 導入 ( どうにゅう ) もしてはいけません。

ぶん　：　みね　かずや